技術士第一次試験を受けようと決めたものの、何から手をつければいいか分からない。そう感じている方は少なくありません。
「範囲が広そう」「専門科目が難しそう」というイメージだけが先に立ち、闇雲に参考書を開いてしまう。しかし一次試験は、仕組みを先に理解するだけで対策の優先順位がはっきり見える試験です。
この記事では、基礎・適性・専門の3科目それぞれの配点と合格ラインを整理し、そこから逆算した対策の組み立て方をお伝えします。
なぜ「全体像」を先に知る必要があるのか
一次試験には、多くの資格試験と違う特徴があります。総合点で合否が決まるのではなく、3科目それぞれに独立した合格基準があることです。
つまり、得意な専門科目で満点近くを取っても、基礎科目が基準に届かなければ不合格になります。逆に言えば、専門科目が多少甘くても、3科目すべてで基準を超えていれば合格します。
この仕組みを知らずに勉強を始めると、得意科目にばかり時間をかけて、苦手科目の対策が手薄になるという失敗が起こりやすくなります。まず配点と合格ラインを頭に入れることが、遠回りに見えて実は一番の近道です。
3科目の配点と合格基準
基礎科目(15点満点)
出題範囲は5つの群に分かれています。①設計・計画 ②情報・論理 ③解析 ④材料・化学・バイオ ⑤環境・エネルギー・技術、という構成です。
各群6問の中から3問を選んで解答し、5群で計15問。1問1点の15点満点です。合格基準は50%以上、つまり8点以上取れば基準を満たします。
適性科目(15点満点)
技術者としての倫理観を問う15問が出題されます。基礎科目のような選択制ではなく、出題された問題に解答する形式です。配点は1問1点の15点満点で、合格基準は基礎科目と同じく8点以上です。
専門科目(50点満点)
機械部門を含む20の技術部門から、あらかじめ1部門を選んで受験します。35問の中から25問を選んで解答し、1問2点の50点満点です。合格基準は50%以上、25点以上が必要になります。
3科目を並べると、専門科目の配点が突出して大きいことが分かります。ここが対策の優先順位を考えるうえでの出発点になります。
合格ラインから逆算する対策の優先順位
配点と合格基準が分かったところで、限られた時間をどう配分するかを考えます。
ステップ1:自分の得意・不得意を先に把握する
過去問を1年分、時間を計らずに解いてみてください。3科目それぞれの得点率を出すと、どこが基準の8点・25点に届いていないかが具体的に見えてきます。感覚で「専門科目が不安」と思っていても、実際に解くと基礎科目の方が届いていない、ということは珍しくありません。
ステップ2:配点の大きい専門科目から手をつける
50点満点の専門科目は、3科目のうち最も配点が大きく、かつ出題範囲が実務経験と直結しています。機械部門であれば、材料力学・熱力学・流体力学・機械力学・制御工学といった分野が中心です。頻出する解法の「型」を先に押さえておくと、初見の問題にも対応しやすくなります。分野別の攻略は専門科目の分野別攻略|材料力学で確実に取り切るで詳しく解説しています。
ステップ3:適性科目を「対策不要」と侮らない
適性科目は暗記量が少なく、後回しにされがちな科目です。ただし技術者倫理は独特の判断基準があり、一般常識だけで解こうとすると、かえって間違えやすい分野でもあります。過去問を1〜2年分解いて、出題のクセに慣れておくだけでも得点は安定します。
PMEでは、一次試験を含めた学習計画のご相談をその他受験指導で承っています。3科目のどこに時間を配分すべきか、過去問の得点率を見ながら一緒に整理することもできます。他社の講座を受講中の方のセカンドオピニオンとしてのご利用も歓迎しています。
陥りやすい失敗
配点と合格ラインを理解したうえでも、陥りやすい失敗が2つあります。
一つは、「総合点なら大丈夫」という思い込みで1科目を捨ててしまうことです。一次試験に総合点という概念はありません。3科目それぞれの基準を超える必要があります。
もう一つは逆に、3科目すべてを均等に対策しようとして時間切れになることです。配点も出題傾向も科目ごとに違います。得意・不得意を把握したうえで、時間配分にメリハリをつけることが結果的に近道になります。
技術士試験全体の流れの中で一次試験がどう位置づけられるかは、技術士試験の全体像と効率的な学習ステップでも整理していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
一次試験の全体像を整理します。
- 3科目それぞれに独立した合格基準がある——総合点ではなく、基礎8点・適性8点・専門25点をそれぞれ超える必要がある
- 専門科目の配点が最も大きい——50点満点で、実務経験と直結する分野が中心
- 適性科目を侮らない——暗記量は少ないが、独特の判断基準に慣れておく必要がある
まずは過去問を1年分、時間を計らずに解いて、3科目それぞれの得点率を出すところから始めてみてください。自分がどこに時間をかけるべきかが、数字で見えてきます。
試験本番が近づいてきたら、一次試験直前のあなたへ、心構えとエールもあわせて読んでいただければと思います。
一人で抱え込まず、第三者の視点を
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