技術士一次試験の受験を控えている皆様、日々の業務と試験勉強の両立、本当にお疲れ様です。
朝早く起きてテキストを開いたり、疲れて帰宅した後に重い目をこすりながら過去問を解いたり。あるいは、休日のまとまった時間を削って机に向かっている方も多いでしょう。「仕事が忙しくて計画通りに進まない」「出題範囲が広すぎて、どこまでやればいいのか分からない」と、焦りや不安を感じているかもしれません。
私は、機械設計や高出力レーザー、水圧ロボットなどの現場で25年以上にわたりエンジニアとして活動し、現在は「PME」として技術コンサルティングや技術士試験対策を支援しています。これまで多くの技術者を見てきましたが、働きながら国家資格に挑戦すること自体が、すでに素晴らしい「技術者としての資質」の証明です。
今回は、いよいよ本番を迎える皆様へ、現場を知る実務家の視点から、不安を自信に変え、確実に合格を引き寄せるための「心構え」をお伝えします。
1. 完璧を求めない。一次試験は「100点」を取る試験ではない
直前期の受験生を最も苦しめるのは、「あそこも覚えていない」「この分野が出たらどうしよう」という完璧主義からくる恐怖です。しかし、論理的に考えてみてください。技術士一次試験は、満点を取る必要はありません。
適性科目、基礎科目、専門科目のそれぞれで「50%以上の得点」を確保すれば合格できる試験です。
現場の設計やトラブルシューティングでも同じことが言えます。すべての事象を完全に把握してから動くのではなく、限られた情報と時間の中で「安全と機能を満たす最適解」を出し、前に進めることがエンジニアの仕事です。試験も同様に、「取るべき問題を確実に取る」というリスクマネジメントの視点が重要です。
分からない問題が出た時は、焦る必要はありません。「これは他の受験生も解けない捨て問題だ」と割り切り、自分が過去問で繰り返し解いた「基本問題」に時間を投資してください。その冷静なリソース配分こそが、合格への最短ルートです。
2. 基礎科目の「広く浅く」は、将来の武器になる
基礎科目(科学技術全般にわたる基礎知識)の広さに圧倒されている方も多いと思います。「自分の専門外の化学やバイオの知識なんて、今の業務に必要ないのでは?」と感じる瞬間もあるでしょう。
しかし、現場経験25年の視点から断言します。現代のエンジニアリングにおいて、単一の専門知識だけで解決できる課題はほぼ存在しません。機械設計であっても、材料化学の知識、制御ソフトの概念、環境への配慮など、複合的な視点が求められます。
一次試験の基礎科目で学ぶ「広く浅い知識」は、決して無駄な暗記ではありません。将来、あなたがプロジェクトリーダーとして多様な専門家を束ねる際、彼らの言葉を理解し、的確なディレクションを行うための「共通言語」になります。
「単なる試験対策」ではなく、「将来、強いエンジニアになるための引き出しを増やしている」と考えてみてください。そう捉え直すだけで、テキストの文字が少し違って見えるはずです。
3. 適性科目は「技術者倫理の羅針盤」
適性科目は、技術士法第4章(技術士等の義務)や製造物責任法(PL法)、環境関連法規などが出題されます。過去問の傾向をつかめば得点源になる科目ですが、単に「○×のクイズ」として処理するのはもったいない領域です。
近年、データ改ざんや品質不正のニュースが後を絶ちません。現場では、コストダウンの圧力と納期の板挟みになり、倫理的な判断が揺らぐ瞬間が必ず訪れます。その極限状態のなかで、技術者としての誇りを守り、社会の安全を担保するための判断基準となるのが、この適性科目で問われる「公益確保の責務」です。
本番で適性科目を解く際は、「もし自分が現場の責任者だったら、どう判断すべきか?」という実務家の視点を持って選択肢を読んでみてください。自然と正解が浮かび上がってくるはずです。
4. 本番当日のメンタルコントロール:「普段通り」を科学する
試験本番、会場の空気に飲まれて頭が真っ白になることがあります。それを防ぐための「論理的な対策」を一つお伝えします。
それは、「試験が始まったら、最初の1分間は問題を解かない」というルールを自分に課すことです。
開始の合図とともに、すぐに第1問を読み始めるのではなく、まずは深呼吸をします。そして、問題冊子全体をパラパラと最後までめくり、「どんな構成か」「得意な分野はどこにあるか」を俯瞰(ふかん)してください。
現場の仕事でも、新しい図面や仕様書を受け取った時、いきなり細部の計算から始める人はいないはずです。まずは全体像を把握し、作業の段取りを組みますよね。試験も同じです。全体を俯瞰することで脳が「これはいつもやっている仕事の段取りと同じだ」と認識し、過度な緊張が和らぎます。
合格の先にある「技術士」という高みへ
一次試験は、技術士への長い道のりの「登竜門」です。この関門を突破した先には、修習技術者としての実務経験、そして真の専門能力とコンピテンシーが問われる「技術士二次試験」が待っています。
しかし、今は先のことを深く考える必要はありません。目の前にある一次試験の壁を、あなたがこれまで培ってきた論理的思考と、日々の努力の積み重ねで、力強く突破してください。
PMEでは、本質を捉え、自ら考え行動できるエンジニアを応援しています。あなたが一次試験を見事に突破し、将来、二次試験の論文対策や口頭試験、あるいは実務における設計・安全・マネジメントの壁に直面したときには、私たちが「次のステップへの強力な伴走者」としてお待ちしています。
まずは当日の体調管理を最優先に。あなたのこれまでの努力が、解答用紙の上で最高の形で結実することを、心から祈っています。
行ってらっしゃい!健闘を祈ります。
【PMEからのお知らせ】
PME(ホームページ:https://pme-x.com/ )では、現場経験25年以上の知見を活かし、技術士二次試験対策(論文添削・口頭試験の模擬面接)から、企業の若手エンジニア向け教育・技術コンサルティングまで、一歩踏み込んだサポートを提供しています。
「独学の限界を感じている」「本質的な技術者のスキルを身につけたい」とお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。一次試験の試験サポートもお気軽にお問い合わせください。

