【技術士二次試験】“回答丸暗記”は不合格の元!面接官の「質問意図」を読み解く極意|表面的回答vs本質的回答

 筆記試験の合格発表が近づくと、多くの受験者様からこのような相談をいただきます。

「想定問答集を100問作って、全部覚えました!」
「どんな質問が来てもいいように、回答スクリプトを一字一句暗記しています」

その努力は素晴らしいものです。しかし、PMEとしては、あえて厳しいことをお伝えしなければなりません。

「回答の丸暗記」は、口頭試験における最大のリスクです。

なぜなら、実際の口頭試験は、受験者の「技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力」を評価する場であり、台本の読み合わせではないからです。少し角度を変えられただけで頭が真っ白になり、しどろもどろになってしまう……これが不合格になる典型的なパターンです。

今回は、暗記に頼らず、「面接官の質問意図」を読み取り、技術士としてふさわしい「本質的な回答」をするための思考法について解説します。

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目次

なぜ「回答の丸暗記」は通用しないのか?

技術士試験の口頭試験は、単なる「知識の確認テスト」ではありません。あなたが「技術士としての資質能力(コンピテンシー)」を備えているかを確認する場です。

試験官は、あなたが用意した原稿を聞きたいのではありません。「対話」を通じて、以下の項目を確認しようとしています。

  1. コミュニケーション: 明確かつ効果的な意思疎通ができるか。
  2. リーダーシップ: 利害関係者を調整し、とりまとめる力があるか。
  3. 評価・マネジメント: 資源配分やリスク対応、成果の波及効果を評価できるか。
  4. 技術者倫理・継続研さん: 公益確保の責務や自己研鑽の姿勢があるか。

丸暗記の弊害

  • 柔軟性の欠如: 「Aと聞かれたらBと答える」という硬直した対応しかできず、応用が利きません。
  • コミュニケーション能力の減点: 用意した回答を思い出そうとすると、目が泳いだり、会話のリズムが悪くなったりして、「明確な意思疎通」というコンピテンシー評価が下がります。
  • 地雷を踏む: 質問の意図と微妙にズレた回答を延々と喋ってしまい、「質問を理解していない」と判断されるリスクがあります。

重要なのは「質問意図=コンピテンシー」の紐付け

面接官の質問には、必ず「意図」があります。そしてその意図は、評価項目である「コンピテンシー」のいずれかを確認するために向けられています。

例えば、「業務で苦労した点は?」と聞かれたとき、単に「徹夜して大変でした」と答えてはいけません。この質問の裏には、以下のような意図が隠されている可能性があるからです。

  • 問題解決: 複合的な問題をどう定義し、調査・分析したか?
  • マネジメント: 人員・設備・金銭・情報などの資源をどう配分したか?
  • リーダーシップ: 多様な関係者の利害をどう調整したか?

質問を聞いた瞬間に、「あ、これは『マネジメント能力』を聞いているな」と変換できる回路を持つこと。これが合格への鍵です。

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実践例:表面的回答 vs 本質的回答

では、具体的に「表面的(NG)」な回答と、「本質的(OK)」な回答の違いを見てみましょう。

ケース1:トラブル対応について

質問: 「業務中に発生した予期せぬトラブルについて教えてください」

❌ 表面的な回答(NG)

「設計ミスにより、試作段階で部品が干渉してしまいました。すぐに設計を修正し、再製作して納期に間に合わせました。大変でしたが頑張りました。」

  • 【解説】
    これでは単なる「作業報告」です。「頑張った」という精神論では、技術士としての能力は伝わりません。

⭕️ 本質的な回答(OK)

「試作段階で部品干渉が発生しました。原因は、他部署とのインターフェース調整不足でした(問題解決:分析)。そこで、直ちに3Dモデルを用いた干渉チェック会を開催し、関係者間で仕様を再定義しました(リーダーシップ:利害調整)。また、再製作による遅れを取り戻すため、工程の並列化を行い、リソースを集中投下することで納期を遵守しました(マネジメント:資源配分)。」

  • 【解説】
    トラブルの原因を分析し、リーダーシップとマネジメントを発揮して解決したプロセスが明確です。技術士試験の評価軸(コンピテンシー)に沿った回答になっています。

ケース2:技術者倫理について

質問: 「顧客から、コスト削減のために安全率を下げてほしいと要求されたらどうしますか?」

❌ 表面的な回答(NG)

「技術士として安全は第一ですので、断ります。会社のルールでも決まっていますので、できませんと伝えます。」

  • 【解説】
    正論ですが、思考停止しているように聞こえます。「断る」だけでは、プロフェッショナルとしての折衝能力や問題解決能力が見えません。

⭕️ 本質的な回答(OK)

「まず、公衆の安全・健康・福利を最優先する義務(技術者倫理:公衆の安全)があるため、安全率を下げるリスクを顧客にデータで説明します(コミュニケーション:説明責任)。その上で、単に断るのではなく、代替材料の検討や構造の簡素化など、安全性を確保しつつコストダウンを図る別の技術的提案を行い(問題解決:代替案の提起)、顧客の要求を満たす努力をします。」

  • 【解説】
    倫理規定(公益確保)を守りつつ、顧客の利益(コスト削減)も追求する姿勢を示すことで、高度な専門応用能力と倫理観の両方をアピールできています。

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回答を「覚える」のではなく「型」を持つ

PMEでは、想定問答を丸暗記するのではなく、自分の業務経験をコンピテンシーという「型」に整理することを推奨しています。

  1. 自分の業務棚卸し: 「概要」「課題」「解決策」「成果」を整理する。
  2. タグ付け: 各エピソードがどのコンピテンシー(リーダーシップ、評価、マネジメント等)を証明できるかタグ付けする。
  3. 引き出しの整理: 質問されたら、適切なタグのついたエピソードを取り出して話す。

このトレーニングをしておけば、どのような変化球の質問が来ても、「この質問はリーダーシップを聞いているから、あのエピソードを話そう」と、柔軟に対応できるようになります。


PMEの模擬面接は「意図」を深掘りします

大手予備校などの模擬面接では、儀礼的なマナーや、想定問答通りの回答ができているかどうかのチェックに終始してしまうことがあります。

しかし、PMEの模擬面接は違います

機械設計25年以上の現場経験を持つ技術士が面接官役となり、「なぜそう判断したのか?」「その時、他の選択肢はなかったのか?」と、本番さながらに思考のプロセスを深掘りします。

  • あなたの回答が「表面的」になっていないかチェック
  • どのコンピテンシーがアピール不足かフィードバック
  • あなたの業務経験に基づいた「最強の回答パターン」を一緒に構築

「暗記」から脱却し、「対話」で合格を勝ち取りたい方は、ぜひPMEの門を叩いてください。試験直前の単発利用も歓迎しています。

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