技術士第二次試験の筆記試験に向けて、日々専門知識の習得や論文作成の練習に励んでいることと思います。しかし、どれほど高度な専門知識を持っていても、試験本番で「ある手順」を飛ばしてしまうと、不合格の確率が跳ね上がってしまいます。
その手順とは、「骨子(こっし)を作成すること」です。
試験開始の合図とともに、焦って解答用紙に文字を書き始めていませんか?実は、技術士試験において「いきなり書き始めること」は非常に危険な行為です。
この記事では、現場経験25年以上のエンジニア視点で指導を行うPMEが、なぜ技術士試験において骨子法が必須なのか、そして絶対に失敗しない骨子の作り方について論理的に解説します。
なぜ技術士試験の論文に「骨子」が必須なのか?
現代のビジネスシーンでは、資料作成はパソコンで行うのが当たり前です。WordやPowerPointを使えば、文章の入れ替え、段落の挿入、後からの修正は自由自在に行えます。
しかし、技術士試験は「手書き」の試験です。ここに最大の罠が潜んでいます。
手書き試験の恐ろしい特性:後戻りができない
手書き試験では、一度書き進めてしまうと、後から「あ、ここの間にこの説明を入れたい」と思っても挿入することができません。消しゴムで広範囲を消して書き直すことになれば、大幅なタイムロスとなり、制限時間内に規定の文字数を埋めることが絶望的になります。
途中で論理が破綻するリスク
頭の中だけで構成を考え、思いつくままに書き進めると、高確率で以下のような事態に陥ります。
- 設問の要求からズレていく: 書いているうちに自分の得意な分野の話に熱中してしまい、問題文が求めている解答から逸脱してしまう。
- 文字数のアンバランス: 前半の「課題の抽出」に全体の6割を費やしてしまい、最も重要な「解決策」や「波及効果」を書くスペースが足りなくなる。
- 結論の矛盾: 書き始めと書き終わりで、主張の筋が通らなくなる。
採点官は、あなたがどれだけ多くの専門用語を知っているかではなく、「技術士にふさわしい論理的思考力(コンピテンシー)を持っているか」を評価しています。論理が破綻した論文は、その時点で厳しい評価を下されます。
これらを防ぐための唯一の防衛策が、書き始める前に全体の設計図である「骨子」を作り込むことなのです。
そもそも「骨子」とは何か?
骨子とは、論文の「全体構成案」であり「設計図」です。
私たちエンジニアの業務に例えれば、分かりやすいでしょう。機械装置を製作する際、いきなり鉄板を切り出して溶接を始める人はいませんよね。必ず「構想設計」を行い、全体のレイアウトや必要な機能、強度計算などの「設計図」を作成してから製作に取り掛かるはずです。
論文作成も全く同じです。
「骨子(設計図)」がない状態で文字を書き始める(製作する)から、寸法が合わなくなり(文字数の過不足)、機能を満たさない(設問要求を満たさない)不良品(不合格答案)が完成してしまうのです。
失敗しない「骨子」作成の4ステップ
では、具体的にどのように骨子を作成すればよいのでしょうか。PMEが推奨する、実践的かつ確実な骨子作成の4ステップをご紹介します。
ステップ1:設問の要求事項を正確に読み解く
まずは問題文を熟読し、「何を問われているのか」を要素分解します。
問題文には必ず複数の「問い」が含まれています。例えば、「①課題を多面的に抽出し、②最も重要な課題を特定し、③その解決策を示し、④生じうるリスクと対策を述べよ」といった具合です。
この要求事項に漏れがないよう、問題文にアンダーラインを引き、ナンバリングして可視化します。
ステップ2:大見出し・中見出しを仮決めする
ステップ1で抽出した要求事項に沿って、論文の「見出し」を決定します。
技術士試験の論文は、小説のような起承転結ではなく、ビジネス文書としての論理構造が求められます。
- 〇〇に関する多面的な課題
1.1 技術的観点からの課題:××
1.2 経済的観点からの課題:△△ - 最も重要な課題とその解決策
2.1 最も重要な課題の特定
2.2 解決策1:〇〇の導入
2.3 解決策2:××の最適化…
このように、見出しを見ただけで「設問の要求にすべて答えている」ことが採点官に伝わる構成(スケルトン)を作ります。
ステップ3:各見出しに盛り込む「キーワード」を配置する
見出しができたら、その見出しの中でどのような説明を展開するか、使用する「専門キーワード」や「具体的な数値・手法」を箇条書きで配置していきます。
ここでのポイントは、文章を書くのではなく、あくまで単語や短いフレーズで書き出すことです。これにより、思考が整理され、「この解決策に対して、このリスクが対応しているか」といった論理の整合性を素早くチェックできます。
ステップ4:文字数と時間配分をシミュレーションする
最後に、各項目にどれくらいの文字数を割り当てるかを決めます。
例えば600字詰め用紙3枚(1800字)の試験であれば、「1.課題の抽出に1枚(600字)」「2.解決策に1.5枚(900字)」「3.リスクと対策に0.5枚(300字)」といったおおよそのボリューム配分を決定します。
ここまで決まって初めて、シャープペンシルを握り、解答用紙に文字を書き始めます。
骨子作成にかけるべき「勇気ある時間」
受験生からよく「骨子を作るのに時間をかけすぎると、書く時間がなくなって不安です」という相談を受けます。
しかし、骨子作成には全体の制限時間の「20〜25%」を投資する勇気を持ってください。
例えば、2時間の試験であれば、最初の25〜30分は解答用紙に一切触れず、問題用紙の余白でひたすら骨子を練り上げます。
設計図(骨子)が完璧に仕上がっていれば、残りの時間は「骨子に沿って肉付けして文字を書く単純作業」に変わります。迷いなく書き進められるため、結果的に執筆スピードが上がり、時間内に余裕を持って書き終えることができるのです。
PMEが提案する「骨子から見直す」論文対策
一般的な論文添削講座では、完成した論文の「てにをは」や「表現の微修正」に終始してしまうケースが散見されます。しかし、設計図(骨子)の段階で論理が破綻している論文は、表面的な言葉を直しても合格答案にはなりません。
PMEの技術士試験対策では、現場経験25年のエンジニアが「構想設計(骨子)の妥当性」から徹底的にレビューします。
- 「この課題設定から、この解決策は論理的に飛躍していませんか?」
- 「この見出しの構成だと、設問の要求(3)を満たせていません」
- 「解決策の具体性が不足しており、技術士としての専門性(コンピテンシー)がアピールできていません」
このように、本質的な論理構造に踏み込んだフィードバックを行うことで、どんな未知の問題が出題されても、自力で揺るぎない骨子を組み立てられる「真の応用能力」を養います。
まとめ:骨子法をマスターして確実な合格を
技術士試験の筆記試験は、知識量だけでなく「論理的構成力」と「プロジェクトマネジメント(時間・文字数管理)」が試される場です。手書きという制約の中で最高のパフォーマンスを発揮するためには、「骨子法」の習得が不可欠です。
日頃の業務における報告書やメールの作成でも、まずは「骨子」から考える癖をつけてみてください。試験対策が実務のスキルアップに直結するのも、技術士試験の醍醐味です。
「自分が作った骨子が正しいか不安だ」
「いつも途中で論理が破綻してしまう」
「今年こそ絶対に合格したい」
そうお考えの方は、ぜひPMEの論文添削サービスをご活用ください。他社とは一線を画す、現場のプロフェッショナルによる「本質のフィードバック」で、あなたの合格を強力にサポートします。
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