筆記試験を突破した皆さんへ ― 本当におめでとうございます
長い準備期間を経て筆記試験を乗り越えた皆さん、本当にお疲れさまでした。
合格発表の瞬間、これまでの努力が報われたという安堵と、
「次はいよいよ口頭試験だ」という新たな緊張を感じた方も多いのではないでしょうか。
しかし、ここからが技術士として認められるための“最後のステージ”です。
口頭試験では、あなたが持つ専門知識だけでなく、技術者としての考え方・責任感・伝える力が問われます。
この記事では、初めて口頭試験を受ける方のために、
「合格発表から本番までの準備手順」を順を追って解説します。
口頭試験とは ― 知識よりも“技術者の姿勢”を問う試験
口頭試験は、筆記試験のように知識を問うものではなく、
あなたが技術者としてどのように考え、判断し、責任を持って行動しているかを確認する試験です。
評価の基準となるのは、技術士に求められる8つのコンピテンシー。
| 分類 | 評価される資質・能力 |
|---|---|
| 専門的学識 | 自分の専門分野を根拠をもって説明できる |
| 問題解決 | 現場の課題を自らの知識と経験でどう解決したか |
| マネジメント | チームや工程、リスクをどう管理したか |
| 評価 | 成果をどう分析し、改善に活かしたか |
| コミュニケーション | わかりやすく伝える力、相手の意図をくみ取る力 |
| リーダーシップ | 関係者をまとめ、方向性を示せるか |
| 技術者倫理 | 公益・安全・法令を意識した判断ができるか |
| 継続研さん | 学び続ける姿勢を持っているか |
つまり、「正しい答え」よりも「あなたの考え方」が評価されます。
【手順①】筆記試験の再現論文をまとめる
最初に行うべきは、筆記試験の再現論文作成です。
これは、試験当日にどんな内容をどのように書いたのかを記録しておくもの。
再現論文を作る目的
- 口頭試験では「筆記試験の内容を説明してください」と聞かれる
- 面接官は筆記の意図を理解しているかを確認する
- 再現論文が想定質問を作るベースになる
作成のポイント
- 思い出せる範囲で、設問・キーワード・論理展開を書き出す
- 段落構成(序論・本論・結論)を意識する
- 対策講座などで指摘を受けた点を補足しておく
【手順②】業務経歴の棚卸しをする
次に、自分の業務内容を説明できるように整理します。
口頭試験では「あなたの業務を3分程度で説明してください」と求められます。
まとめ方のコツ
- 「課題 → 解決策 → 成果 → 学び」の順で構成する
- 技術的な成果だけでなく、自分の判断や工夫を入れる
- 数値(コスト・納期・改善率など)を入れると説得力が上がる
例:「製造ラインで発生していた歩留まり不良を、原因分析と治具設計の見直しで改善し、稼働率を15%向上させた。」
📌 ポイント:話しながら整理することで、自然と説明力が鍛えられます。
【手順③】想定質問リストを作る
口頭試験は「想定していた質問にどれだけ落ち着いて答えられるか」が鍵です。
再現論文と業務内容をもとに、自分なりの想定質問を作ってみましょう。
代表的な質問例
- 筆記試験で書いた内容をもう一度説明してください。
- あなたの専門分野で最近注目している技術は?
- 業務で最も苦労した点は?どう対応しましたか?
- チーム内の意見が分かれたとき、どのように調整しましたか?
- 技術者として大切にしている考え方は?
作った質問に対して、「結論 → 理由 → 具体例」の順で答える練習をしましょう。
【手順④】模擬面接で実戦練習を行う
口頭試験最大の特徴は、“対話型”であることです。
自分の説明を、相手(面接官)の反応に合わせて調整する必要があります。
その力を身につけるには、模擬面接が最も効果的です。
PMEの模擬面接の特徴
- Microsoft Teams対応:全国どこからでも参加可能
- 単発受講可:1回ごとに課題を明確化
- 試験官経験者が担当:最新の質問傾向に対応
- フィードバック重視:回答内容+話し方・印象を改善
「自分の答え方がどう見られているか」を知ることで、
本番に向けた“伝え方の修正”ができます。
【手順⑤】心の準備と当日の意識
試験当日、最も大切なのは“完璧を目指さないこと”です。
緊張しても構いません。
面接官は、あなたの人柄や誠実さを見ています。
- 分からない質問は無理に答えようとせず、「確認して再検討します」でOK
- 相手の質問意図を一度復唱することで落ち着いて答えられる
- 短く、わかりやすく、論理的に話す
📌 ポイント:
「評価される」場ではなく、「技術士としての姿勢を伝える」場だと意識しましょう。
まとめ|“最後の1か月”をどう過ごすかが合否を分ける
- まずは筆記試験の再現論文を作成する
- 業務内容を3分で説明できるように整理する
- 想定質問を作って答え方を練習する
- 模擬面接で実戦練習し、改善点を明確にする
技術士試験の口頭試験は、「知識の再確認」ではなく「あなたの成長の証明」です。
努力して得た知識・経験を、あなた自身の言葉で語ってください。
PMEは、その一歩を全力でサポートします。

