休暇は“自己分析のゴールデンタイム”
筆記試験を終え、合格発表までの期間は「燃え尽き症候群」のように気持ちが途切れやすい時期です。
「ちょっと休みたい」「合格しているかわからないから動きにくい」——そう考える人も多いでしょう。
しかし、口頭試験を控える受験生にとって、この期間はもっとも差がつきやすい時間でもあります。なぜなら、発表後に口頭試験の準備を始める人が多い中、先に自己分析を進めておけば、余裕を持って仕上げに入れるからです。
特に休暇中は、普段の仕事から少し離れて落ち着ける貴重なタイミングです。旅行やリフレッシュも大切ですが、同時に「自分の業務を振り返る」作業を進めることで、本番で語れるストーリーが磨かれていきます。
この自己分析と想定質問作りは、合格の土台を作る最重要ステップといっても過言ではありません。
自己分析から始める口頭試験準備
口頭試験では「あなたがどんな技術者なのか」「どう業務に向き合ってきたのか」を評価されます。筆記で問われた専門知識だけでなく、人間性や判断力も試されるのが大きな特徴です。
まず最初に取り組むべきは自己分析の棚卸しです。
休暇中に落ち着いて以下を整理してみましょう。
- 直近5年程度の主要業務を洗い出す
- 課題やトラブルに直面した経験を抽出する
- その場で自分がどう考え、どう解決したのかを具体的に書く
- 解決の結果、組織や顧客にどんな効果をもたらしたかを整理する
この作業は地味ですが、やっておくと驚くほど口頭試験で話せる内容が増えます。
面接官は「実務経験に基づいた具体的な回答」を高く評価します。だからこそ、自己分析の精度が合否を左右するといっても過言ではありません。
想定質問を作るステップ
自己分析を整理したら、次は想定質問作りに取り組みます。これは「どんな質問が来ても自分の言葉で答える準備」をするための練習です。
Step1: よくある質問をリストアップ
まずは定番の質問を思いつく限り書き出してみましょう。
- 受験動機を教えてください
- 最近の業務内容について説明してください
- あなたの業務で工夫した点は何ですか
- 倫理的に判断が難しかった経験はありますか
- 継続的にどのような自己研鑽をしていますか
こうした質問は必ず出るわけではありませんが、準備しておくことで大きな安心につながります。
Step2: 自分の経験に置き換える
質問リストができたら、それを自分の実務経験に紐づけます。
「継続研鑽」と問われたら、資格勉強や社外研修の経験を答える。
「倫理」と問われたら、安全優先で意思決定したエピソードを語る。
このように抽象的な質問を自分の実体験に落とし込む作業が重要です。
Step3: 答えを整理する
答えを整理するときはPREP法(結論→理由→具体例→結論)を使うと効果的です。
「結論を最初に言い切る」ことで、面接官に安心感を与え、論理的で聞きやすい説明になります。1〜2分程度でまとまるように練習すると、本番でも落ち着いて答えられます。
想定質問作りのポイントは「コンピテンシー」
想定質問を作るときの最大のポイントは、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)を意識することです。
技術士に求められる8つのコンピテンシー
- 専門的学識
- 問題解決
- マネジメント
- 評価
- コミュニケーション
- リーダーシップ
- 技術者倫理
- 継続研鑽
例えば、「リーダーシップ」に関する質問では、プロジェクトを率いた経験や部下の成長を支援した事例を準備するとよいでしょう。
「倫理」なら、安全優先の判断や社会的責任を意識した対応を答えに繋げます。
休暇中にこの8つを切り口として自分の経験を整理しておくと、口頭試験で出題される幅広い質問に柔軟に対応できます。
PMEのサポートで効果的に準備を進める
もちろん、自己分析や想定質問作りを独学で進めることは可能です。
ただし、自分一人では「答えが抽象的すぎる」「結論が後回しになる」などの弱点に気づきにくいのも事実です。
PMEでは、実際に本番で聞かれる可能性の高い質問を想定し、受験者の答えをその場で評価・フィードバックします。
- 想定質問のリストアップを一緒に作成
- 回答をその場でブラッシュアップ
- 録画やレポートで改善点を明確化
単発での模擬面接や論文添削も可能なので、休暇中に自己分析を進めたうえで、直前にスポットで指導を受けるという組み合わせが非常に有効です。
まとめ
- 休暇中は自己分析と想定質問作りのベストタイミング
- 「課題・解決・効果」で業務経験を整理することで答えに厚みが出る
- 想定質問は8つのコンピテンシーを意識して作ると効果的
- PMEの単発サポートを組み合わせれば、独学では気づけない弱点を短期間で改善できる